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日曜日, 8月 1, 2021

「止まっているこの時こそ」

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「止まっているこの時こそ」  

山梨英和大学 宗教主任 洪 伊杓

「彼が担ったのはわたしたちの病  彼が負ったのはわたしたちの痛みであったのに   わたしたちは思っていた  神の手にかかり、打たれたから 彼は苦しんでいるのだ、と。   彼が刺し貫かれたのは わたしたちの背きのためであり   彼が打ち砕かれたのは わたしたちの咎のためであった。彼の受けた懲らしめによって わたしたちに平和が与えられ   彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。」 (イザヤ書53章4~5節)

感染者が再び増えているというニュースが聞こえてきます。大変な生活はいつまで続くのでしょうか。多数の未来学者、神学者、感染学者などは気候の変化によって大きな危機が近づいていると警告してきましたが、周囲は無視してきました。しかし最近の世界的な感染拡大を経験し、事態は本当に深刻であると気づかされました。いつの間にか液体が気体になる「臨界点」(Critical point)のように、まさか来るはずがないと思っていたその時が突然来てしまったのです。これは一時期に過ぎ去る流行病としてではなく、根本的な省察を求める文明史的な転換期として捉えるべき事態なのではないでしょうか。未来学者のジェレミー·リフキン(Jeremy Rifkin)によると、「1900年には人間が生きる場所が全地球の陸地の14%であったが、2000年になると77%になった」そうです。野生の草地や森を開発し、破壊した結果です。また、現代人の肉食への欲望は最も大きな原因の一つです。結局、野生動物の移住が始まり、動物と共に目に見えないバクテリアやウイルスも居場所がなくなり、人間の領域に入って来ました。最近のエボラ、サーズ、マーズ、ジカウイルスによるパンデミックもこのことが原因です。ウイルスと共存しなければならない不便な日常、ニュー·ノーマル(New Normal)時代が開かれたという話もあります。

しかし、人間は危機の時期にこそ、自らを振り替える知恵を神から与えられて来ました。古代イスラエルの最も暗く厳しい時期はバビロン捕囚期です。紀元前587年、神がおられると信じていた神殿がバビロンによって破壊されました。神殿がなくなると、神はどこにいらっしゃるのかとの問いが生まれ、神は神殿だけではなく、あらゆる場において私たちと共におられることを悟りました。その後、神殿という物質的な場ではなく、神のみ言葉に土台を据えた捕虜の期間に、旧約聖書の多くの部分を執筆します。最も惨めな状態で、希望を失った時、最も偉大な歌を生み出しました。それが今日のみ言葉、「苦難のしもべの歌」です。苦しみの中でまことの平和を求める歌。

安楽な時期には精神的に力強い遺産は誕生しません。危機の時にこそ素晴らしい思想や教えが誕生します。中国も春秋戦国時代に、孔子、孟子、老子、荘子、墨子、韓非子などの諸子百家が登場しました。ローマ帝国の圧制の中でイエス·キリストが誕生しました。第1次、2次世界大戦の経験からエマニュエル·レヴィナス、パウル·ティリッヒ、カール·バルト、ハンナ·アーレントのような思想家たちが誕生しました。混乱な世界、危機の時期こそ、それを乗り越えるための洞察が生まれる機会でもあります。分かれ道の前に立たされれば、私たちは一度止まって今まで歩んで来た道を振り返り、地図を見て正しい道を模索します。すべてのものが止まっている、この不安な時期こそ、私たちがこれから歩んで行くべき道を模索し、求める時としなければならないと思います。

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