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日曜日, 2月 28, 2021

「よくみているのか」

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「よくみているのか」  

山梨英和大学 宗教主任 洪 伊杓

「あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の 目の中の丸太に気づかないのか。兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』と、どうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。」(マタイによる福音書7章3〜5節)

脳の「紡錘状回」(Fusiform Gyrus)という部分は、人間の顔を判断するところだそうです。ここで人の目と口を見て、顔なのか事物なのかを判断します。ところが、西洋人と東洋人の間には、この感覚に大きな差が存在します。西洋人は主に口を見て、東洋人は主に目を見て人の顔、そしてその人の感情を判断するというのです。

写真② 口がない「ハローキティ」キャラクター

日本の代表的なキャラクターであるハローキティは、アジア諸国では大変な人気を得ています。しかし、欧米ではあまり人気がありません。東洋人は相手の目を見ながらコミュニケーションするため口のないハローキティを見ても可愛さを感じますが、口を見ながら相手の感情を読む西洋人にとってハローキティは違和感を与え、愛情も生じません。口のみで目がないキャラクターを私たち東洋人が見たらどのように反応するかを考えると理解しやすいかと思います。インターネット時代に一般化している「イモティコン」(emoticon)も、西洋人は目には変化がなく口の変化のみで、笑っている顔「:)」と怒っている顔 「:(」を表現します。一方、アジアでは口ではなく目を中心に、「^.^」、「T.T」などで感情を表現します。「イモティコン」は感情(Emotion)とアイコン(icon)の合成語であるが、日本では「顔文字」と呼んでいます。ハローキティを生み出した「サンリオ」の社長辻信太郎氏(92)は、現在私が働いている山梨英和学院(カナダ・メソジスト教会設立)が運営する山梨英和幼稚園出身であり、「山(サン)梨(リ)の王(オ)」となることを目指して社名をつけたと言われている。

写真③ ハローキティの目を無くしたら欧米人の違和感が感じられる。 

 先週から「マスク」についてお話していますが、西洋では仮装舞踏会という文化があり、そこで目と鼻を被って、口は露出するマスクが流行しました。自らの魅力をアピールし、相手の感情を把握するため西洋人は目よりも口に集中します。このような習性も影響したのか、最近の新型ウイルス拡散の中で西洋人は口と鼻を被るマスクの着用を嫌がる人々が多かったようです。それが欧米における感染拡大の一つの原因になったという説すらあります。「社会的距離」による孤立感、経済的な困難などからくるストレスは、結局誰かに対する責任転嫁と敵対心、怒りとして表出されます。実際に欧米では有色人種への差別と暴力が増しており心配です。そのような現象を対岸の火事として、それを非難する声もアジアで聞こえてきます。

しかし、今日読んだみ言葉において、イエス·キリストは「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。」(1-2節)と言われます。私たちの姿はこのままで良いのでしょうか。「武漢肺炎」という言葉を使い、特定国家や地域の人々への偏見を助長する声がいまだにあります。そして、有名な日系テニス選手に対してある漫才コンビが「漂白剤が必要」と言い問題になったこともありました。無意識に私たちの中に流れている偏見と無知を否定できるでしょうか。

夏になるほどマスクの着用はより大変なことになります。顔を覚えづらく、相手の目しか見ることができません。しかし考えてみると、今私たちの社会は皆がハローキティのようになっている「ハローキティ社会」ではないでしょうか。私たちは可愛いキティのように周りの人々を見ることができるのではないでしょうか。心を込めて「ハロー」と挨拶し、声をかけていますか。今こそ、相手の目の「おが屑」ではなく、むしろ染みがついた涙の跡を見つけ、慰めることができるようにと願います。マスク着用によって「目」と「目」をじっくり見つめながら過ごしているこの「ハローキティ社会」が私たちに与えた一つの課題です。

写真① 口のみの変化で感情を表現する欧米のイモティコン

写真② 口がない「ハローキティ」キャラクター

写真③ ハローキティの目を無くしたら欧米人の違和感が感じられる。 

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