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日曜日, 8月 1, 2021

「『赤毛のアン』のように」

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「『赤毛のアン』のように」  

山梨英和大学 宗教主任 洪 伊杓

 「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あたながたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。」(コリントの信徒への手紙一 10章13節)

今年の春(2020.3.12)、カナダの小説『赤毛のアン』を韓国に初めて紹介した児童文学作家の申智植(シン・ジシク)先生(90歳)が天に召されました。梨花女子高校の教師だった彼女が見つけた翻訳の底本は、山梨英和女学校の教師であった村岡花子が訳した日本語版の『赤毛のアン』(1952)でした。このようなご縁からなのか、25年ほど前から韓国の梨花女子高校と山梨英和中高との交流がはじまり、姉妹校としても交友を深めています。

 私が山梨に着任する直前に接したこの申先生の訃報は、少年時代にテレビで視聴した長編アニメーション『赤毛のアン』(1979)を改めて観賞する時間へと私を導きました。孤児であった主人公アン·シャーリー (Anne Shirley)が、様々な試練と逆境の中でも諦めず、いつも明るく乗り越え、立派な教師として成長して行くという内容です。その背景にはいつも雄大なカナダの山々と川が存在し、今、周りにある山梨の風景と本当によく似ています。

私たちは今、大変だったこの1年(2020年)の終わりをそろそろ迎えようとしています。『赤毛のアン』の最終回である第50話に登場するアンと、遠隔授業で学んでいる学生たちやオンライン礼拝で主日を守っている体調不良の信者たちの姿が重なります。大学進学を諦め、地元の小学校で教えることになったアンに対して叔母さんがこのように言います。

「(進学をやめて)本当に良かったと思うよ。(…)女が男と同じように大学に行ってラテン語とかギリシャ語とか馬鹿げたものを詰め込むなんて、私は感心しないよ。」

それに対してアンは次のように答えます。

「でも、リンド叔母さん、私、大学へ行かなくても、ラテン語やギリシャ語をやっぱり勉強するのです。私、このグリーンゲイブルズで(自らの)文科コースを取って大学でやるものは残らず勉強しようと決心してるの。」

大学のキャンパスにはいなくても、自宅で頑張るつもりだと…このアンの顔から私はコロナ禍の中でも各自の場所で頑張っている皆さんの姿を思い浮かべます。

写真② グリーンゲイブルズに残っても大学の勉強を自宅で続けることを決心するアン。長編アニメーション『赤毛のアン』(1979)の第50話。

そして、最後のシーンに登場する、恩師ステイシーに宛てて書いたアンの手紙の一部を共に読みながら、試練の今年をまとめたいと思います。今日のみ言葉のように、真実なる神は、私たちに「耐えられないような試練に遭わせること」はなさらないと信じます。この試練に耐え、マスクを外して笑顔で再開する日を待ち望みます。

「私の地平線はクイーン学園からこのグリーンゲイブルズに帰って来た夜から見れば極端に狭まってしまったのかもしれません。しかし、たとえ私の足許に敷かれた道がどんなに狭くても、その道にはきっとしずかな幸せの花が咲いているに違いないと思います。真剣な仕事と立派な抱負と好ましい友情を手に入れる喜びが私を待っています。本当に道にはいつでも曲がり角があるものですね。新たな角を曲がった時その先に何を見出すか、私はそこに希望と夢を託してこの決断をしたつもりでした。でも、狭いように見えるこの道を曲がりくねりながらゆっくりと歩み始めた時、広い地平線に向かってひたすら走り続けていたころに比べ、周りの美しいものや人の情けに触れることが多くなったような気がするのです。むろん、広い地平線の彼方に聳え立つ高い山を忘れてしまったわけではありませんし、何者も持って生まれた空想の力や夢の理想世界を私から奪い取ることはできません。でも、私は今、何の後悔もなく、安らぎに満ちてこの世の素晴らしさを褒め称えることができます。ブラウニングのあの一節のように。『神は天にいまし、全て世は事もなし。』」

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